カエルの親分 

2020年06月16日

カエルが鳴くようになってきた。わたしのうちの周りは田んぼか畑ばかりなのでとてもうるさい。

だけど、シーンとなる時がある。
それはわたしが、その畦道をドンドンと足を踏み鳴らしながら歩く時だ。
その靴がウエッジソールだとなお良い。
聞き慣れない靴音が響き、カエルたちは息をひそめはじめる。

そしてわたしは立ち止まる。立ち止まって道の端に座る。

しばらく静寂を楽しんだわたしは、
おもむろに「クワッ」という。
わたしは動物の鳴き真似が異常に得意だ。

一匹のカエルであるわたしが「クワッ」と鳴くと、
他のカエルたちも、もう此れで安心だとばかりに、鳴き始める。
それが田んぼ中に広がる。
頭の中がカエルの鳴き声だけでいっぱいになる。

そしてまた立ち上がってこの靴でドンドンと靴音を立てて歩く。
するとまた静寂が訪れる。

カエルの親分はわたしだ。