上之保のこと

2018年07月31日

先だっての大雨では、岐阜県でも大きな被害がありました。
私の元生徒の自宅のある関市上之保も、津保川が氾濫して、2メートルの浸水。
彼女のピアノも沈み、泥だらけになって出てきました。
日用品も何もかも流されて、なんにもない、
って知ってから三週間もたって、
やっと昨日彼女に物資を送ることができました。

何が必要か?尋ねても、「もう少し考えてからお返事を...」との返答のまま、慌ただしい復旧作業をしてるようで、
なかなか私も動けませんでした。
必要でないものを送ってしまっても...と...。

やっと一昨日、直接電話で話すことができました。
三週間以上たった今でも、揃っているものの方が少なく、
揃っているのはマスク、ボディシート、紙皿、紙コップ、割り箸。それ以外なら、なんでもありがたい、とのこと。

「なんでもありがたい」と、遠慮しているので、
生活ぶりを聞きだして、必要であろうもの...食料、日用品、電子レンジ、化粧品等
それに加えて、全滅したという楽譜も、
それぞれ私が譲れる範囲でお譲りすることができました。
たくさんのオペラアリア、イタリア歌曲、練習曲、なかには、私が若い頃使っていた古い埃っぽい輸入楽譜も。

楽譜なんて、時期尚早かと、迷ったのですが、受け取った彼女には、喜んでいただけてうれしかった。
「楽譜を見た時、びっくりして倒れそうになりました。金庫に入れておきたい!憧れの足利先生の楽譜がいただけるなんて」って連絡がありました😂
"憧れの"!笑😆←嬉しいところなので2度書きました笑

私たちクラシック音楽を勉強してる者にとって、楽譜は、子どもの頃からの歴史のようなものでもあり、宝物なのです。
落ち着いて、気兼ねなく、楽譜を繰ることのできる日常も、何にも代え難いことです。

はやく彼女に日常を取り戻してほしい。
今この時間の向こうには、日常が待っているのだと、彼女がこの楽譜たちに勇気付けられますように...!!
いつか、彼女の本棚に、
今までと同じくらいの楽譜たちが並びますように...!!

上之保地区に、まだまだ日常は戻っていないようでした。
同地区にお知り合いがいらっしゃる方、一度ご連絡をとっていただけたら嬉しいです。

1枚目の写真は今日の長良川。この川の堤防がもってくれたおかげで、岐阜市は一部を除きほぼ日常を取り戻し始めています。
2枚目の写真はお送りした楽譜たち。
3枚目の写真は岐阜県関市上之保の彼女の大切なピアノ
4枚目の写真は上之保地区津保川の当時の様子